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八戸高専とは

1.八戸工業高等専門学校(八戸高専)とは

歴史の概要

本校は、学校教育法の改正によって産業の発展と科学技術教育の一層の振興を図るために、技術者救育を行う高等教育機関として、昭和38年度に設置されました。当初は3学科(機械工学科、電気工学科、工業化学科)で発足し、昭和43年度には土木工学科を増設し、4学科体制となりました。

平成3年度に工業化学科が物質工学科に、平成7年度には土木工学科が建設環境工学科に、また平成17年度には電気工学科が電気情報工学科に改組されました。平成14年度には、準学士課程に対して更に2年間の高度な専門教育を実施する専攻科が設置されました。平成27年度には、準学士課程4学科が1学科(産業システム工学科)・4コース(機械システムデザイン、電気情報工学、マテリアル・バイオ工学、環境都市・建築デザイン)に、また専攻科課程3専攻が1専攻(産業システム工学専攻)・4コース(機械システムデザイン・電気情報システム工学、マテリアル・バイオ工学、環境都市・建築デザイン)に再編されました。令和3年度には准学士課程の機械システムデザインコースが機械・医工学コースに名称変更されました。

昭和56年度には、地域的課題の教育研究施設として廃棄物エネルギー利用教育研究センターが竣工されました。同センターは、平成3年には総合技術教育研究センター、さらに平成15 年度からは地域テクノセンターと改称し、教育研究を通して地域貢献をする産学官連携の窓口として積極的な活動をしています。

また、これらの活動には、平成5年に設立された産業技術振興会により、地元の企業や商工会議所、行政から支援、援助がなされています。

本校は、昭和43年の十勝沖地震、平成6年の三陸はるか沖地震の2度の甚大な地震災害を受けました。現在の校舎は、三陸はるか沖地震の罹災後、専門分野だけにとどまらず工学基礎分野と他専門基礎分野の理解も深める「連峰型教育」をコンセブトに、平成8年度から校舎の整備が進められ、建設環境工学科の改修工事をもって完成し、「平成12 年度文部省文教施設部長賞」を、また平成14 年には「第14回八戸市まちの景観賞」を受賞しています。平成16年度には専攻科棟が建設されています。

八戸高専と教育

教育面では、創立当初から『誠実・進取・協調』の校訓を掲げ、専門知識だけでなく豊かな人間性の涵養も重要な学習・教育到達目標としています。このため、準学士課程の1年生では学科の垣根を設けない混合学級の編成を行っています。

また、人間性涵養教育の一環として、学業だけでなく課外活動等も重視しています。ロボコン・プロコンを始め、体育系、文化系部活動も活発です。さらに、低学年男子1、2年生を対象とした全寮制をはじめとして寮生活指導にも力を入れています。

教育寮としての学寮は全人格形成に大きな教育効果を生み出しており、2時間半の学習時間の設定、さらには指導寮生、室長による低学年生への指導など、社会人としてあるべき人格を陶冶(とうや)する徳育の場としても機能しています。

また、学生支援にも力を入れ、担任制度や希望する低学年生の学習を高学年生が補助するメンター・メンティシステム、様々な悩みの相談に応じる相談室なども整備しています。

創立以来就職率100%の実績と高い進学率

本校では、「連峰型教育」を特徴として、工学理論を実用に生かす能力を育成することを教育の重要な柱とし、『実践的な技術』の学修を重視しています。そのために、実験・実習系科目の時間を多くし、創造性を涵養する教育を建学以来重視しています。

これまで『実践的な技術』を修得した多数の卒業生を産業界等に送り出してきており、創立以来就職希望者の就職率は100%です。

また、専攻科が創設されてからは進学希望者も増加し、専攻科進学、大学編入学の数も全体の4割近くになっています。また、平成17年度に独立行政法人大学評価・学位授与機構による高等専門学校機関別認証評価で高い評価を受け、本校の教育の質の高さを広く社会に示すことができました。

このように、本校は伝統と時代の要請を踏まえて、国際的な視野を持って課題を自ら発見・探求・解決できる創造性豊かな技術者を養成しようと、日々積極的に教育改革に取り組んでいます。

(1)教育理念

豊かな教養の基盤の上に得意とする工学専門分野の知識と技術を身につけ、個人の自由と責任を自覚して規律を遵守し、自ら課題を発見しその解決に向けて自ら学ぶ姿勢を持ち、人類福祉の増進と社会の進展に積極的に貢献する創造力豊かな技術者を養成することを教育理念としています。

(2)使命

創立以来の校訓「誠実・進取・協調」に則り、自立的な人材の育成に主眼をおきながら、ものづくり・システムづくりに長けた専門技術教育を推進すること、また地域に密着した工学系高等教育機関として教育研究活動の高度化・個性化を図りながら、人材育成と研究開発の両面で北東北のみならず日本の発展に寄与貢献することを使命としています。

(3)目的

本校は、教育基本法の精神にのっとり、及び学校教育法に基づき、深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することを目的としています。

準学士課程の目的

準学士課程は、教育基本法及び学校教育法に基づき、教養と工学専門分野の知識・技術を身につけるとともに、自ら課題を発見しその解決に向けて自ら学ぶ姿勢を持ち、産業界のニーズに応えられる実践的・創造的技術者を育成することを目的とする。

専攻科課程の目的

専攻科課程は、準学士課程における学習を基礎にして、工学に関する高度な知識と技術を深く学習・研究し、幅広い視野と創造性を有して広く産業の発展に寄与し、課題設定・解決ができる高度な実践的・創造的技術者の育成を目的とする。

学科・専攻科ごとの目的

・産業システム工学科

得意とする専門分野に関する知識と技術を備えつつ他の専門分野の基礎にも理解があり、自ら課題を発見・探究する姿勢と異文化を理解する姿勢を持ち、必要な英語基礎力を備えた実践的・創造的技術者を育成する。

機械・医工学コース

あらゆるものづくりの基盤となっている機械技術を通じて社会を活力あるものとするため、幅広い視野と豊かな人間性をそなえ、システムデザイン並びに医工学の基礎とその応用分野に関する知識と技術を身につけ、想像力にあふれた、ものづくりに強い実践的技術者を育成する。

電気情報工学コース

あらゆる産業や生活の基盤である電気・電子・情報系の技術を通じて、社会のニーズに応えるため、幅広い視野と豊かな人間性をそなえ、電気電子システム並びに知能情報システムの基礎とその応用分野に関する知識と技術を身につけ、創造力にあふれた、ものづくりに強い実践的技術者を育成する。

マテリアル・バイオ工学コース

エネルギー・資源・環境問題を考え、経済性や安全性を十分考慮した循環型社会を担うため、幅広い視野と豊かな人間性をそなえ、マテリアル工学並びにバイオ工学の基礎とその応用分野に関する知識と技術を身につけ、創造力にあふれた、ものづくりに強い実践的技術者を育成する。

環境都市・建築デザインコース

環境の保全と再生及び安全・安心で持続的発展が可能な社会を実現するため、幅広い視野と豊かな人間性をそなえ、環境都市デザイン並びに建築デザインの基礎とその応用分野に関する知識と技術を身につけ、創造力にあふれた、ものづくりに強い実践的技術者を育成する。

・産業システム工学専攻

社会の変化や多様なニーズに対応できるよう、高等専門学校における教育の基礎の上に、精深な程度において工学における高度な専門知識と技術を教授研究し、創造性と研究開発能力を兼ね備えることで、ものづくり、システムづくりを先導でき、かつ国際的に通じる適切な英語基礎力をもつ実践的専門的技術者を育成する。

機械システムデザインコース

あらゆるものづくりの基盤となっている機械技術を通じて社会を活力あるものとするため、幅広い視野と豊かな人間性をそなえ、機械・エネルギーシステム並びに知能機械システムとその応用分野に関する高度な知識と技術を身につけ、創造性と研究開発能力をもち、ものづくりを先導できる実践的専門技術者を育成する。

電気情報システム工学コース

あらゆる産業や生活の基盤である電気・電子・情報系の技術を通じて、社会のニーズに応えるため、幅広い視野と豊かな人間性をそなえ、電気電子システム並びに知能情報システムとその応用分野に関する高度な知識と技術を身につけ、創造性と研究開発能力をもち、ものづくりを先導できる実践的専門技術者を育成する。

マテリアル・バイオ工学コース

エネルギー・資源・環境問題を考え、経済性や安全性を十分考慮した循環型社会を担うため、幅広い視野と豊かな人間性をそなえ、マテリアル工学並びにバイオ工学とその応用分野に関する高度な知識と技術を身につけ、創造性と研究開発能力をもち、ものづくりを先導できる実践的専門技術者を育成する。

環境都市・建築デザインコース

環境の保全と再生及び安全・安心で持続的発展が可能な社会を実現するため、幅広い視野と豊かな人間性をそなえ、環境都市デザイン並びに建築デザインとその応用分野に関する高度な知識と技術を身につけ、創造性と研究開発能力をもち、ものづくりを先導できる実践的専門技術者を育成する。

(4)養成しようとする技術者像

本校が養成しようとしている技術者像は、「多角的視野を持ちつつ、実験・測定技術、数理的手法及び情報処理技術を基盤に、得意とする専門技術分野の基本的素養を持った、ものづくりやシステムづくりに強い実践的な技術者」です。

準学士課程において養成しようとする技術者像は「技術と技能の両面を有する人材」、「企画から設計・生産までの実務に携わる人材」、「自ら課題を発見しその解決に向けて探究する姿勢を持つ人材」です。

専攻科課程において養成しようとする技術者像は「理論を基礎とした高度な技術と技能を有する人材」、「技術開発から設計・生産までの実務のみならず創造的な仕事ができる人材」、「課題解決型に留まらず課題設定型及び提案型の人材」です。

産業システム工学科(準学士課程)の三つの方針

【ディプロマ・ポリシー】(卒業認定方針)

本校では、以下に示す能力を身につけ、所定の単位を修得した学生に対して卒業を認定します。

  1. 豊かな教養と幅広い視野を備え、地球環境や人類社会における科学・技術の重要性を理解できる。
  2. 数学、自然科学の基礎知識、及び応用数学、応用物理、情報処理に関する知識を身につけ、それらを問題解決に応用できる。
  3. 得意とする専門分野の知識と技術、及び他の専門分野の基礎知識を身につけ、課題解決に応用できる。
  4. 自ら課題を発見して探究する姿勢を持ち、協調性を発揮してチームの一員として仕事に取り組むことができる。
  5. 地域の課題に関心を持ち、その解決に貢献しようとする姿勢を持つ。
  6. 異文化を理解する姿勢を持ち、討議・発表力と英語基礎力を身につけて研究発表等で活用できる。

【カリキュラム・ポリシー】(教育課程編成・実施の方針)

ディプロマ・ポリシーに掲げた人材を育成するため、一般科目の学修と連携しつつ低学年から専門科目を少しずつ配置する「くさび型教育」の特長を活かし、知識と技術を体験的に身につけられるカリキュラムを編成します。学修の成果は、試験や課題レポートなど、各科目のシラバスに記載された評価方法により評価します。具体的なカリキュラム編成方針は以下のとおりです。

  1. 技術者として必要な教養と幅広い視野を身につけるため、国語、数学、英語、理科、社会、体育、芸術などの科目を、低学年を中心に開講する。
  2. 専門科目の基礎となる数学、自然科学の基礎知識を身につけるため、応用数学、応用物理、情報処理に関する科目を開講する。
  3. 得意とする専門分野の知識と技術を身につけるため、専門基礎及び応用科目の講義と、実験、実習などの体験的授業を有機的に組み合わせたカリキュラムを編成する。さらに、それらを課題解決に応用する能力を育成するため、高学年において創成科目や卒業研究を開講する。
  4. 自ら課題を発見し、自立的に探究する姿勢を身につけるため、1学年から5学年に自主探究を実施する。またチーム内での役割を自覚し、協調性を持って仕事に取り組む姿勢を身につけるため、各種の実験・実習や創成科目、卒業研究などにおいて、協働で取り組む内容を設ける。
  5. 地域の課題に関心を深めるため、地域志向科目を設ける。また地域の課題をテーマとする自主探究や卒業研究などを奨励する。
  6. 討議発表力、異文化理解力を身につけるために日本語コミュニケーション、英語コミュニケーションなどの科目を開講するとともに、短期海外研修などの機会を設ける。またそれらを活用できる能力を身につけるため、全学年で自主探究のポスター発表を実施するほか卒業研究の英語発表を奨励する。

【アドミッション・ポリシー】(入学者受け入れ方針)

本校では、次のような人の入学を期待しています。

本科

  1. 他人への思いやりができ、責任ある行動がとれる人
  2. 数学・理科や英語が好きで、学習意欲と知的探究心のある人
  3. 「ものづくり」や「科学・技術」に興味がある人
  4. 技術を通して社会に貢献する夢がある人
  5. 人々と積極的に対話しようとする人

編入学

  1. 他人への思いやりができ、誠実で責任ある行動がとれる人
  2. 高等学校において、工業の基礎を習得した人
  3. 本校の教育目標を理解し、その目標に向かって努力する人
  4. 技術を通して社会に貢献する熱意がある人
  5. 自ら対話しようと心がける人

産業システム工学専攻(専攻科)の三つの方針

【ディプロマ・ポリシー】(修了認定方針)

専攻科では、以下に示す能力を身につけ、所定の単位を修得した学生に対して修了を認定します。

  1. 豊かな教養を基盤とし、国際的な視野を有し、地球環境と社会における科学・技術の重要性を理解できる。
  2. 数学、物理、化学等の基礎知識、及び技術者としての高い倫理観を身につけ、広く産業の発展に寄与できる。
  3. 得意とする専門分野の知識と技術、及び他の専門分野の応用知識を身につけ、課題解決に応用できる。
  4. 地域課題に関心を持ち、自らが課題設定・解決能力を有し貢献することができる。
  5. 国際的な学術研究や異文化を理解する姿勢、及び討議・発表力と英語基礎力を身につけて特別研究等の各種発表等で活用できる。

【カリキュラム・ポリシー】(教育課程編成・実施の方針)

ディプロマ・ポリシーに掲げた人材を育成するため、一般科目、専攻共通科目そして専攻専門科目の3種類を設定して高度な知識を体系的に身につけられるカリキュラムを編成します。学修の成果は、試験や課題レポートなど、各科目のシラバスに記載された評価方法により評価します。具体的なカリキュラム編成方針は以下のとおりです。

  1. 国際的な視野と技術者としての素養を身につけるため、物理学要論、化学要論、グローバル経済論などの科目を開講する。
  2. 横断的な共通知識の深化と技術者としての高い倫理観を身につけるため、応用数学、情報工学、環境エネルギー工学、技術者倫理などの科目を開講する。
  3. 得意とする専門分野の知識と技術を深化させるため、応用科目の講義と実験などの体験的授業を組み合わせたカリキュラムを編成する。また、課題設定・解決能力を育成するため、特別研究を実施する。
  4. 地域の課題に関心を深めるためにエンジニアリングデザイン、学外研修などの科目を設け、履修を奨励する。
  5. 国際的な発表・討議力、異文化理解力を身につけるために総合英語などの科目を開講するとともに、最大半年間の海外研修などの機会を設ける。またそれらを活用できる能力を身につけるため、特別研究の発表会では英語発表を行う。

【アドミッション・ポリシー】(入学者受け入れ方針)

  1. 社会における科学技術の重要性を理解し、その問題に関心を持つ人
  2. 専門分野のみならず、他分野の基礎的知識をも習得して多角的視野を持とうとする人
  3. 「ものづくり」に関心を持ち、創造力と開発能力を身につけようとする人
  4. 地域の諸課題に関心を持ち、それに取り組む意欲のある人
  5. 国際社会に対応できる基礎的な言語能力を身につけ、多様な価値観を理解しようと意欲のある人