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Creating My Own Path

八戸高専の女性研究者たち

横田 実世(総合科学教育科 教授)総合科学教育科 教授
横田 実世 Miyo Yokota

専門は形質・自然人類学という理系の人類学で、大学院では法医学系・人体の環境に対応する適応の相違、また、ロシア・シベリアの様々な原住民の頭蓋骨、血液、指紋などを使って民族の歴史的な移動のパターンをいわゆる量的・人類学的観点から研究していました。実際の仕事ではアメリカで主任研究員として長年人間工学・温熱モデルなど様々な分野に携わり、女性やマイノリティーのための衣服や器具のフィッティングの分析、またプログラミングを学んで、衣服、運動量、気候、被験者の心拍数を使って生理学的観点から職業安全基準として使われている直腸温を簡単にシミュレーションで推測する研究にも関わりました。さらに転職した際には当時アメリカで新しい分野であった患者疾病報告のリサーチにも関わり、医者・病院側からの観点だけでなく患者に寄り添った治療の仕方の重要さも学びました。

現在本校で英語を主に教えています。英語が苦手な多くの高専生に将来のグローバルエンジニアに向けてどういう風に英語に対して意識改革ができるか試行錯誤中です。また、国際交流センターの一員として本校の外国人留学生が直面する慣れない日本文化や八戸での生活・メンタル面でのサポートのお手伝いもしています。さらに青森県の小中学生女子に工学分野に興味を持ってもらおうと本校の女子学生が立ち上げた愛好会「ろぼっと娘」が行う工学啓蒙活動のサポートにも関わっています。

My Career

アメリカで学位を取り2018年に八戸高専に来るまではアメリカの産官学で様々な仕事をしてきました。自分の専門分野である形質・自然人類学を大学・大学院でしばらく教えていましたが、教えるためには理論的なものだけではなくもっと研究経験を積み重ねる必要性を感じてナショナルリサーチカウンシルでポスドクを経て、国家公務員、そして大・小企業などで人間工学・生態物理学などの研究に携わりました。その間、様々な分野の研究者(例:生理学者・エンジニア、医師)、プロフェッショナル(例:ヘルスケア、警察、消防など)、またアメリカ国外(例:オーストラリア、イスラエル)の研究者と共同研究をする経験も得られました。長年のルーティンと自分に置かれた飽和状態の環境を見つめ直し、今までの経験を何か新しい形で活かせないかと思っていた時に、八戸高専で英語を未来の科学者・技術者に教える仕事を目にして応募し、現在に至っております。

My Work-Life Balance

日本の働き方は、アメリカと比べワークライフバランスがとりづらいメリハリのない働き方だと感じています。アメリカにいたときは定期的にジムに行って泳いだり、友達と食事やパーティーに行ったりしていましたが、今は時間のある時はローカルの文化・情報を知ろうとプチ旅行をしたり、地元の人たちとなるべく会話をしています。