メインコンテンツ

Creating My Own Path

八戸高専の女性研究者たち

戸田山 みどり(総合科学教育科 教授)総合科学教育科 教授
戸田山 みどり Midori Todayama

私のもともとの研究対象は、英語圏の児童文学です。最近は、本の紹介をする関係で、子どもの本全般が対象になりました。2017年から、八戸市のブッククーポン事業にあわせて、八戸市ブックセンターと協力して、市内の小学生むけに毎年お勧めの本のリストである「本はともだち」を作成しています。また、リストで紹介した本を中心に、市内の小学校でブックトークの出前授業を行っています。いつも、小学生のエネルギーには圧倒されます。また、2019年からは5週間に1回、地元紙に中学生以上対象とした「ちょっと大人な読書の世界」という記事を連載しています。

学校では、1年生の授業である、エンジニアとしての将来を考えてもらう「ものづくり基礎」から、専攻科2年生対象の科学技術とコミュニケーションをテーマとした「表現法」まで学年の幅広く、工業高等専門学校ならではの授業を担当しています。また、視野を広げるために比較しながら文学を読む3年生の「コミュニケーション I」の授業、4年生にはコミュニケーションを理論的に理解する方法や、論理的な文章の書き方、多文化共生の視点などをテーマとした「コミュニケーション II」の授業など、一般的な国語とはひとあじ違うアプローチをめざしています。基本的には、将来の技術者にとって必要不可欠な、科学技術と社会の関係について考えるきっかけとなるよう意識して内容を工夫しています。

高専に勤務するようになってから演劇部の顧問として演劇の現場に関わるようになりました。集団でひとつの舞台作品をつくっていく経験は、いろいろな意味で人を成長させます。演劇の手法は、さまざまな立場の視点を学ぶために有効であることから、最近は専攻科の授業でも取り入れています。

My Career

大学を卒業後、高校の非常勤講師をしながら東京女子大学大学院に進学し、英米文学の修士号を取得しました。家族の事情で名古屋に転居後は、周辺の大学・短大で非常勤講師として主に英語を教えました。その傍ら、児童文学の学会などで発表を続けていましたが、英語教育についてあらためて学ぼうと思い、南山大学の英語教育研究科に再入学しました。さらに、続けて名古屋大学国際コミュニケーション研究科博士課程に進み、本来の研究テーマである児童文学(絵本)の日米英の受容比較に取り組みました。博士課程満期修了と同時に八戸高専に採用になり、家族をおいて単身やってきました。今では八戸での生活も20年になろうとしています。

My Work-Life Balance

高校・大学と美術系のサークルでした。最近は絵を描くことはしていませんが、美術館へ行くことと建物を観るためのまち歩きが趣味と言えます。本を読むこと、映画やお芝居をみることは楽しみでもありますが、頭の片隅には仕事の意識が残っています。