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Creating My Own Path

八戸高専の女性研究者たち

杉山 暦(総合科学教育科 特命准教授)総合科学教育科 特命准教授
杉山 暦 Koyomi Sugiyama

私は平成30年12月に八戸高専に着任し、現在、外国人留学生に対する日本語教員として従事しています。なかでも特に、政府奨学金留学生として1年次、15歳の段階から八戸高専に入学している低学年のタイ人留学生が対象です。私が担当するこれらの留学生は、ほぼ日本語がわからない状態で八戸高専に入学し、日本人学生のクラスメートとして、数学、化学、物理の理系科目をはじめ、英語、体育など一般科目はもちろん、ホームルームや専門科目も同じ教室の中で受講しています。上述の通り、留学生は日本語がほぼわからない状態で来日するため、通常の授業の一部を私の担当する日本語の授業に変え、日本語学習と他の授業を同時並行しています(残念ながら、今年度の新入生はまだ来日できていないため、オンライン会議ツールを利用して授業を受講しています)。

ごく自然な疑問として、「日本語がほぼわからない留学生にそんなことが可能なの?」とお感じになる方もいらっしゃるかもしれません。実のところ、日本語教員の立場にある私ですら、着任後まもなくの頃は「成立させるのは難しいかもしれない」と弱気なことを考えていました。八戸高専がタイ政府奨学金留学生の受け入れを開始したのは、令和元(平成31)年4月です。受け入れが開始し1年と少しが経った今、私の考えは徐々に変わりつつあります。端的に言えば、「成立は決して難しくない」と感じるようになりました。もとより優秀な学生として選抜され来日している学生です。努力の量や質、また意欲や精神力の高さも、凡人である私の予想をはるかに超えていました。現在、彼らはその才能を開花させ、非常に順調に八戸高専での留学生活を送っています。

私の業務は、日本語教員として新鮮な驚きと発見の連続です。教育者としてこれほど幸せなことはないと感じる毎日です。

My Career

私は学部時代から大学院博士後期課程にかけて日本語学、言語学、認知言語学を専攻し、2016年11月に博士号(文学)を取得しました。博士後期在学中には日本語研究の隣接領域である日本語教育学に対する興味関心も大きくなり、言語研究者として、また日本語教育者として現在に至っております。

日本語教育の経歴としましては、博士後期課程2年生から本年までのおよそ9年間、現職・八戸高専や北海道大学や名古屋工業大学などの高等教育機関における日本語教育をはじめ、日尼経済連携協定(日尼EPA)に基づく外国人介護福祉士候補者、外国人労働者に対する日本語教育など、幅広い経験を積んで参りました。短期的ではありますが、日本語教師・養成講座教員として従事した経験もあります。

今後も引き続き、言語研究者と言語教育者の二足のわらじをはいて、日々の業務に従事していきたいと考えています。

My Work-Life Balance

小さな子どももおりますので、休日はできる限り家族と共に過ごすようにしています。今年の夏休みは子どもと2日に1回はプールに行っていたので、すっかり日焼けしてしまいました。