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Creating My Own Path

八戸高専の女性研究者たち

小船 茉理奈(マテリアル・バイオ工学コース 助教)マテリアル・バイオ工学コース 助教
小船 茉理奈 Marina Kobune

専門は、触媒化学、グリーンケミストリーで、「環境浄化のための触媒材料と反応プロセスの開発」をテーマに研究をしています。環境中に放出された汚染物質を無害なものへと変換する、もしくは、有用な化学品へと変換するために、触媒と呼ばれる材料をつくること、さらに、その触媒を用いた反応評価や反応プロセスの要素技術を開発することを目的としています。

私たちの身の回りには、さまざまな化学品から製造されたものが数多く存在しており、人間生活を便利にしています。しかしながら、それと同時に環境問題を引き起こしていることも確かです。そんななかで、少しでも環境問題を解決するきっかけとして、環境負荷を低減できるような技術を化学の面から考えていくことが大事だと考えて、日々研究に励んでいます。

高専では、物理化学や分析化学系の授業や実験を担当しています。物理化学や分析化学は、一般化学・有機化学・無機化学・生物化学などの化学系の専門科目だけでなく、数学・物理学などの知識も必要となり、化学なのに理論や計算式をたくさん取り扱わねばならない科目です。苦手意識を持つ学生さんも多くいると思います(実際、私も学生の頃、苦手でした……)が、できる限りわかりやすく伝えることを心がけながら、身近な事象とどのように対応しているのかを意識してもらえるように、授業や実験の指導をしていきたいと考えています。

My Career

私の理系キャリアの礎は、高専です。

八戸高専に進学しようと決めたのは中学3年生の進路選択ぎりぎりの時期でした。きっかけは同級生が高専に進学するという話を聞いて「高専って何?」というところから。当時、通学できる距離、理科が好きということで、八戸高専の物質工学科に進学することを決めました。

本科5年生のとき就職希望だったのですが、行きたい企業が見つからず……それなら、勉強と研究を続けようと思い、専攻科に進みました。

高専の教員になろうと思ったのは専攻科1年生のときで、高専の先生方を見ていて、不意に『面白そう。これを自分の職にしてもいいかもしれない。』と思ったことがきっかけです。当時、長谷川章先生の研究室に所属していて、「高専に戻ってきて教員になるなら大学院に進学した方がよい」というアドバイスをいただき、専攻科修了後は、北海道大学大学院環境科学院で修士課程、博士後期課程合わせて5年間過ごしました。単位取得退学という形で大学院を出た後、産業技術総合研究所東北センターに勤務し、その傍ら博士号を取得しました。

そして、2021年度から、ご縁あって八戸高専マテリアル・バイオ工学コースの教員となりました。紆余曲折ありましたが、こうして高専に戻ってくるという学生時代の目標を達成することができ、やっと、人生一段落という感じです。

My Work-Life Balance

公私混同ではないですが、あまり、仕事とプライベートは分けない方です。現在のところは、自分の中で仕事が占める割合が多いです。今後、生活スタイルが変われば、バランスも変わってくると思います。

休日は“とにかく何も考えない時間”をつくることを心がけています。そうしないと常に何か(仕事や研究などについて)考えてしまうので……ひたすら何も考えなかった後は、絵を描いたり、本を読んだり、部屋の掃除をしたり、愛犬と遊んだりして、ゆったりと過ごしています。