微小ダイポールによる人体吸収電力に関する研究成果が国際電波科学連合 (URSI) Radio Science Letters に掲載されました
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ミリ波帯アンテナから人体への電力吸収率は、アンテナから地球への電力吸収を論じたSommerfeld半空間問題を使って解析的に求めることができます。本研究では、同モデルを微小電気ダイポールを人体表面に対して垂直・水平に配置した場合に適用し、皮膚-脂肪-筋肉の3層平板モデルにおける電力吸収比を理論的に解析しました。その結果、水平アンテナではアンテナの離隔距離が1/4波長以上の場合電力吸収率が約20 %に抑制され、垂直アンテナでは、離隔距離が1波長以下の場合、アンテナと人体との相互作用が増大することを確認しました。またアンテナを皮膚表面に近づけると吸収率が100 %に近づくことを有限差分時間領域法(FDTD法)による数値シミュレーションで確認しました。これらの結果は今後普及が想定される5G/6G通信におけるBAN(Body Area Network)機器などを使用した際の生体影響評価の理論的根拠となります。
DOI: 10.46620/22-0051
https://www.ursi.org/publications.php
問い合わせ先:
電気情報工学コース 佐藤 健 <satok-e@hachinohe-ct.ac.jp>