古谷一幸 准教授と齊藤 貴之教授による粉末冶金法に関する研究成果が雑誌「materials」に掲載されました。
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機械・医工学コースの古谷 一幸 准教授とマテリアル・バイオ工学コース 齊藤 貴之 教授らの、「粉末冶金法によるCr-Mo-W-V-Co系高速度鋼製造への焼結HIP法の適用」に関する研究成果が雑誌「materials」に掲載されました。
SKH57を一般的な方法で製造すると、たまに炭化物が巨大化することがあります。そうするとSKH57は靭性が低下する(脆くなる)ため、工具が欠けたりしてしまいます。そこで本研究では、粉末冶金(PM)法を用いてSKH57を製造することを試みました。PM法とは、粉末状の金属を焼き固めて(焼結して)製品を作る方法のことです。今回は、圧力をかけながら焼結することの出来る焼結HIP*法を適用しました。*HIP:熱間静水圧加圧
焼結HIP法により試作したSKH57を顕微鏡で観察した結果、大きさが1~2μ程度の大変微細な炭化物がたくさん観察されました。そして、曲げ試験や衝撃試験と呼ばれる材料性能を調べる試験を行った結果、一般的な方法で製造されたものに比べて、材料性能が50~60%程度アップしていることが分かりました。HIP法を使うと製造コストが比較的高くなってしまう可能性がありますが、工夫次第でコストダウン出来ると考えています。
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