熊本大学佐々木准教授と長崎大学、広島修道大学と本間哲雄教授との共同研究グループによる学術論文が国際学術雑誌(New Journal of Chemistry)に採択されました。
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熊本大学佐々木准教授と長崎大学、広島修道大学と本間哲雄教授との共同研究グループによる学術論文が国際学術雑誌(New Journal of Chemistry)に採択されました。
ペプチド合成は固体や液体中で有機溶媒を使って行われるため、環境負荷低減が求められています。本研究グループではこれまでにアラニンジケトピペラジン(アラニン-DKP)からアラニンオリゴペプチド合成をパルス放電により行ってきました。この方法は有機溶媒の使用を抑制し、環境にやさしい合成法と言えます。本論文では、オリゴペプチド合成の反応条件を改善し、酸性水溶液中でのパルス放電を行うことでアラニン三量体を20分以内、30%の収率で合成しました。また、LC-TOFMS解析からグリシン-DKPやグリシンオリゴペプチド、グルタミン酸、ピルビン酸、ピログルタミン酸の合成を確認しました。これらの反応はパルス放電によってアラニン-DKPが開環し、ラジカル化されたアミノ酸が反応することで、局所的なペプチド伸長反応が進行していることを示唆しています。このことからペプチド合成においてDKPは阻害に働くのではなく、成長反応に寄与することを明らかにし、本研究成果が環境にやさしいオリゴペプチドの化学合成に寄与すると考えます。
論文タイトル: Linear oligopeptide formation from alanine-diketopiperazine in acidic aqueous solutions using interfacial nano-pulsed discharge plasma
著者:Mitsuru Sasaki, Kouki Nonaka, Yuka Sakai, Tetsuo Honma, Tomohiro Furusato, and Kunio Kawamura