和田和幸助教の"長距離型量子ウォークのスペクトル"に関する研究が、雑誌「Reviews in Mathematical Physics」に掲載されました
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量子ウォークはランダムウォークの量子版と称される数理モデルとして知られており、様々な分野で研究が進んでいます。量子ウォークの挙動を調べるためには、量子ウォークに対応するユニタリ作用素のスペクトル(固有値の一般化)を明らかにする事が重要です。これまでは短距離型条件を満たす量子ウォークのスペクトルを調べる研究はありましたが、より広いクラスの長距離型条件を満たす場合での研究はありませんでした。これは短距離型条件の場合には見られなかった「適切な修正因子を構成する」という難関があったためです。共同研究の下、適切な修正因子を構成する事に成功し、その帰結して(1)埋蔵固有値は無い、(2)特異連続スペクトルは無い、の二つを証明しました。これらの結果は長距離型量子ウォークの挙動を知る上で重要な情報であり、今後のより詳細な挙動の解明が期待されます。
参考URL
https://www.worldscientific.com/doi/abs/10.1142/S0129055X22500167