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Honma Group

RESEARCH INTERESTS


超臨界流体(水・二酸化炭素)をキーワードに、実験と理論(計算)の両面から研究を行っています。実験と計算を相補的に活用することで、超臨界流体に関する新規な理論、メカニズムの確立を目指しています。また、理論的裏付けに基づいた超臨界流体を用いた各種工業プロセスの開発を目指します。

研究内容



亜臨界水技術を用いたプラスチックからのモノマー回収

Monomer recovery from plastics in subcritical water

プラスチックのリサイクルプロセスは単一成分の処理に特化されており、消費者は分別してから廃棄しています。私たちは亜臨界水技術を使って、複数成分のプラスチックのOne-pot処理を行い、各成分ごとのモノマー回収を目標に研究しています。この技術が実現されると、積層化プラスチックなどの分別が難しいプラスチック製品のケミカルリサイクルが可能になり、分別不要のケミ化リサイクルプロセスを構築することが期待できます。

高圧熱水を用いた廃棄物の分解処理

Waste decomposition in high-temperature and high-pressure water

高温高圧環境にある水は誘電率が低いため、常温の水と比較して極性が低く、有機物と均一相を形成して速やかに反応させることが可能です。また、イオン積が常温の水よりも高いため、加水分解反応が容易に進行します。このような特徴を生かして、私たちは水が豊富に含まれる不要物を加水分解反応により分解する研究を行っています。分解物はGC/MSやLC/MSを使って同定し、分解メカニズムの把握を行い、数学的処理によって分解モデルを構築します。

超臨界乾燥を用いた酸化チタンエアロゲルの合成

Supercritical carbon dioxide drying

酸化チタン光触媒は一般に粉末状で提供されますが、基材への固定化にバインダーを使用します。このため触媒として有効な表面がバインダーによって覆われ、触媒活性が低下する課題があります。本研究ではゾルゲル法で合成した酸化チタンゲルを超臨界乾燥でエアロゲルにすることで、酸化チタンのみで構造体を形成し、機材が必要とされるプロセスからバインダーを省略することを目指して研究を行っております。

密度汎関数法による錯体や複合体の配位構造に関する研究

Density functional theory study of ligand - metal complex.

密度汎関数法は量子化学計算の一つであり、コンピューターの中で作った分子構造のエネルギーを計算可能です。この計算結果から錯体構造形成の起こりやすさを金属イオン毎に比較することができます。私たちは、外部の企業・大学と連携して、実験研究から得られた事実の説明のために、密度版関数法による計算から考察を加えて、実験結果に対する分子レベルでの説明を行っています。     

QM/MM法を用いた超臨界水中での有機反応に対する水の役割の解明

Role of water on chemical reacion in supercritical water: a hybrid quantum mechanics / molecular mechanis study

QM/MM法は反応に関与する部分を量子化学計算で、周囲の溶媒環境を古典力学で表現することで、計算速度と制度を両立させる分子シミュレーションです。本研究では、これまで超臨界水中でのギ酸・グリセルアルデヒド・ホルムアルデヒドの県間反応を解析し、反応過程の遷移構造に対する水和状態が超臨界水の反応性と密接に関連することを明らかにしている

超臨界状態での晶析過程における核生成発生機構の解明

Molecular dynamics simulation on nucleation mechanism in supercritical fluid

超臨界状態における晶析過程は実験的研究が先行しており、その説明のための分子論的な解釈、すなわち核発生や結晶成長のメカニズムの把握が待たれています。これまでは古典的核生成理論で整理されてきましたが、最近では核発生過程に溶媒が関与することがわかってきています。この研究では分子動力学シミュレーションを用いて、溶媒と溶質の間の相互作用を考慮しながら、超臨界流体における核発生を模擬することで、そのメカニズムの解明を目指します。


Honma Group
Material and Biological Engineering Course
Department of Industrial System Engineering
National Institute of Technology, Hachinohe College
16-1 Uwanotai, Tamonoki-Aza, Hachinohe, 039-1192, JAPAN