卒業生の活躍

猪股 俊光 さん

  • 電気工学科15回生(昭和58年卒)
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  • 略歴
  • 平成元年 豊橋技術科学大学大学院工学研究科博士後期課程修了 工学博士
  • 平成元年 豊橋技術科学大学工学部 助手
  • 平成4年 静岡理工科大学理工学部 講師
  • 平成10年 岩手県立大学ソフトウェア情報学部助教授
  • 平成19年 岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授

 現在,大学でコンピュータ科学の基礎理論やプログラミング技法についての講義を担当しながら,各種機器(デジタル家電,輸送機器,航空宇宙機器など)に組み込まれているソフトウェアを開発するための設計法・実装法について研究をしています。研究では,試行錯誤や経験・勘だけに頼らずに,数理的なアプローチで高性能なソフトウェアを設計・実装することを目指しています。

 高専に入学したことで得られた財産の一つが,工学を学ぶための基礎トレーニングを受けたことで,大学時代にはシステム工学や計算機科学といった新しい専門分野を学ぶことができました。今,大学や高専で学生を教育する立場になっていますが,高専時代に修得した知識や技術を学生に伝えることもしばしばです。

 さらに,技科大に進学したことで,全国各地の高専からの出身者と出会えたことも貴重な財産となっています。そのうちの何人かは全国各地の高専で後輩たちの指導にあたっています。私も平成19年度から八戸高専で授業をする機会を得て,後輩らに会えることが楽しみであるとともに,高専での学生生活が少しでも実り多くなるように微力ながらお手伝いしていきたいと思っております。




高際 雅之 さん

  • 電気工学科30回生(平成9年卒)
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  • 略歴
  • エトナ(株)(第3世代携帯電話基地局向けLSIの設計、開発)
  • (株)A&D(自動車用エンジン開発向け擬似ECU LSIの設計、開発)
  • サイバーズ(株)(携帯電話向けブログアプリ、携帯、PCムービー相互変換システムの設計、開発)
  • (株)ミッシュインターナショナル(海外製FPGA等ボード製品の技術サポート、アプリケーション開発)

 通信系ハードウェア、制御系ハードウェアの設計・開発(主にLSI)、Webコンテンツの開発を経て、 現在は海外製の主にFPGA搭載ボードの技術サポートを行っています。 量産品としては最先端の製品を扱っているためお客様の要求も高く、分野も様々です 同じ電気、電子、情報でも、それぞれの授業から特有の雰囲気でも感じておけば、仕事を進める上で一歩踏み出しやすくなります。

 就職時、高専生は即戦力の高さが評価されます。電気、電子、情報系のドッグイヤー化でも、その力を十分に発揮できると思います。

 高専は、漠然とでも「何か作ってみたい」と思っている人にとても良い環境だと思います。 実験室や図書館などの設備が充実しているので、何かに興味をもったときでもそれを調べたり試したりできる環境が整っています。 私が在学中、特に力を入れたロボコンは、それを活かした課外活動でした。 他のロボコンと違い一人や少人数では作れない規模のロボットを作るのが高専版の特徴です。 課題をクリアするためにアイデアを練らなければいけないのは他と同様ですが、 仲間達と協力しながら作業していくところは実際の仕事にとても近いと思います。この時の経験が現在の仕事に非常に役立っております。




鈴木 しのぶ さん

  • 電気工学科31回生(平成10年卒)
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  • 略歴
  • サクサシステムエンジニアリング(株) 第一開発部
  • 主な資格
  • 第一種情報処理技術者、危険物(乙1~6)取扱者

 皆さんこんにちは。私は4年の時に八戸工業高校の情報技術科から電気工学科に編入しました。 在学当時勉強に関しては相当大変でしたが・・・無事卒業し、今の会社に勤め続けてあっという間に10年以上が経ちました。

 我が社では主に通信機器関連のソフトウェア開発を行っております。私が最も経歴の長い業務はビジネスホンのソフトウェア開発です。 ビジネスホンとは学校や会社で使っているボタン電話システムのことで、組み込み系ソフトウェア開発に該当します。

 世間一般の”ソフトウェア開発”のイメージは”プログラムを年がら年中打っている”だと思いますが、 実際は試験時間が一番長いです。調査や設計書作成とそのチェックの時間もそれなりにかかります。(組み込みプログラムだからという理由もあると思います。) 業種的には理系ですが、仕様の理解や設計書の作成には読解力や表現力もかなり問われます。 設計書は書きすぎてもダメ。必要以上に資料が増えてもダメ。書かれていないのは論外。 それなりに書けるようになるには数年かかりました。未だに迷いはあります。

 組み込み系ソフトウェア開発の醍醐味は、自分が作ったプログラムに従ってハードウェアが動き始めたときだと思っています。 ピクリともしなかった基板が、通信できるようになったり、音が出たりしたときの嬉しさは格別です。 どんなに経験があっても”動いた~!”と言わずにはいられません。(ちなみにそこから開発は長々と続きます。)

 在学中に学んだことは、仕事に直結というよりは経験を重ねるごとにいろいろ役立っていると感じます。 昔、”結局これ何に使うの?”と思っていた事が、設計関連の調査を通して理解できた事もありました。 そして、分かる事が1つ増えると、分からない事が2つ増えます。勉強はいつまでも続きますね。
 在校生の皆さん、教科書の知識を暗記することも大事ですが、「これはどうしてこうなるのか?」という気持ちで望んだ事柄のほうが結果に繋がります。 いろんなことに興味を持って、自分なりにいろいろ考え、そして試してみてください。 その時にうまくいかなかったとしても、いずれプラスになると思います。

 最後に。八戸高専の更なるご発展と卒業生の皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。