マテリアル・バイオ工学コース5年 三浦萌加さんが日本鉄鋼協会第186回秋季講演大会にて優秀賞を受賞しました

令和5年9月20日

2023(令和5)年9月20日から21日にかけて、富山大学で日本鉄鋼協会第186回秋季講演大会が開催されました。この講演大会は、鉄鋼業界に携わる全国の産学官の研究者が一堂に会し、鉄鋼研究に関する日本最大の大会となっています。学生ポスターセッションもこの大会の一環として行われ、研究途上の成果に関わらず、自由な討議の場となっています。優れたポスター発表を行った学生には、最優秀学生賞1名、優秀賞7名、奨励賞30名が審査によって選ばれ、表彰されます。その中で、マテリアル・バイオ工学コース5年生の三浦萌加さん(指導教員:新井宏忠准教授、松本克才教授)が優秀賞を受賞しました。全111件の発表中、高専からの発表は三浦さんを含めて2件のみで、大学院修士生が多くを占める中、優れた成績を収めました。

このポスターセッションは、業界の最前線で活動する大学や企業の研究者と深いディスカッションをする機会でもあります。学生にとっては厳しい場かもしれませんが、多くの大学や企業の研究者からのアドバイスや質問を通じて、自身の研究の意義を再確認し、新たなアイデアを得る貴重な機会と言えます。今回の受賞を期に更なる発展を期待します。

研究内容:ガス攪拌槽における液液界面物質移動特性に及ぼす上部相の影響
鉄鋼製造プロセスにおいて、資源劣質化や製品性能の向上を図るためには、リンや硫黄などの不純物を効率的に除去することが非常に重要です。そのために、溶鋼中にガスを吹き込んで溶鋼を攪拌し、不純物の物質移動を促進させる操作が行われています。しかし、このプロセスは非常に複雑であり、より高効率なプロセスにするためにはそのメカニズムを理解することが不可欠です。この研究では、水モデル実験を用いて不純物の物質移動速度を測定し、物質移動に関連する普遍的な関係(無次元相関式)を見出しました。この成果は、プロセスの解析精度の向上やプロセス改善に資すると期待されます。