ECU(電子制御ユニット)

フルオートドライブモード

フルオートドライブモードの概要

1998年度に新開発したEG号では、後輪ドグクラッチ機構と吸気バルブ休止機構も新設しましたが、それらの操作は手動に頼っていました。このため、ドライバーの操作は極めて煩雑となり、操作に習熟するには多くの練習時間を要するようになりました。ただし、手馴れてきたとしても、操作が面倒であることには変わりがないため、その分どうしても安全に対する配慮が疎かになってしまいます。

そこで、多くのマシンが並走する全国大会で安全に走行することを主目的とし、操作を簡単にするために開発したのがこのフルオートドライブモードです。フルオートドライブモードでは、操作は極めて簡単です。ドライバーの負担は大幅に軽減されますので、その分周囲のマシンの様子を伺うなど安全に注意を払うことができるようになります。また、実車走行練習やシャシローラテストでのデータの再現性も向上させることができます。

フルオートドライブモード導入前の動作シーケンス(1998年度型仕様)

  1. エンジン停止、後輪ドグクラッチON、吸気バルブ休止機構OFFの状態から、主電源スイッチONに入れる。

  2. 押しボタン式のスターターモータスイッチONにする。

  3. エンジン回転数がある程度上がったら、スターターモータスイッチを離してOFFにする。

  4. スロットル吹かして加速する。

  5. 予定した停止速度に達したら、吸気バルブ休止機構用レバー握って、吸気バルブ休止機構をONにする。

  6. エンジンが停止したら、スロットル緩め後輪ドグクラッチ用レバー握ってOFF、吸気バルブ休止機構用レバー離して、吸気バルブ休止機構をOFFにする。

  7. 惰性走行を続け、所定の再始動速度に達したら、押しボタン式のスターターモータスイッチONにする。

  8. エンジン回転数がある程度上がったら、スターターモータスイッチを離してOFFにする。

  9. スロットル吹かす

  10. 後輪ドグクラッチ用レバー離してONにする。

  11. 加速する。

  12. 5に戻る。

Ver.5 電子制御燃料噴射対応回路の動作シーケンス(2021年度型仕様)

  1.  エンジン停止、後輪クラッチOFFの状態から、主電源スイッチONに入れる。

  2.  空燃比センサの電源がONして電磁ブザーが断続的に鳴動。ウォームアップが終わると電子ブザー停止。

  3. クラッチスイッチAUTOに入れると、後輪クラッチがON。

  4. スロットルスイッチAUTOに入れる。

  5. エンジンスイッチSTARTに入れる。・・・下の発進加速時のグラフの0秒

  6. 加減圧制御バルブがONとなり、燃圧制御開始。

  7. 電子制御スロットルの初期位置決め後、スターターモータが始動、潤滑用電動オイルポンプがON。・・・下の発進加速時のグラフの0.3秒

  8. その後、電子制御スロットルは全開まで移動。 エンジン始動後、所定の回転回数に達すると、燃料噴射開始。・・・下の発進加速時のグラフの0.8秒

  9. エンジン回転数が所定の回転数を超えると、スターターモータが停止。・・・下の発進加速時のグラフの1.1秒

  10. 加速を続けて、あらかじめ設定しておいた自動停止速度に達すると、燃料噴射を停止,加減圧制御バルブOFF。・・・下の発進加速時のグラフの11秒

  11. 約0.25秒経過後、後輪クラッチがOFF、潤滑用電動オイルポンプがOFF。その後、電子制御スロットルが全閉まで移動。

  12. 惰性走行を続けて、所定の再始動速度まで2km/h以下になると、電子ブザーが断続的に鳴動。

  13. 再始動速度に達したら、エンジンスイッチSTARTに入れる。・・・下の再加速時のグラフの0秒

  14. 電子ブザー停止、後輪クラッチがON。・・・下の再加速時のグラフの0.3秒

  15. 6に戻る。

注.シャシローラテストモードでは13の操作は不要で、自動的に再始動されます。

地元での実車走行練習時の動作例(2019年9月16日、NP号W)

発進加速時の動作

横軸はエンジンSTARTスイッチを押してからの経過時間です。

惰性走行からの再加速時の動作

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