研究内容

Research Topics

生体温熱モデルとウェアラブル端末を用いた生体情報予測モデルの開発

 当研究室では生体温熱モデルとウェアラブル端末を用いた生体情報予測モデルの開発を行っています。生体温熱モデルは人体の体温,血流量,発汗量等を予測可能とする数値計算モデルのことを言い,これまでに様々なモデルが開発されてきました。 私たちは生体温熱モデルを用いた数値解析とウェアラブル端末から得られる情報を掛け合わせることで人体全体の生体情報の取得が可能になるのではないかと考えています。例えば手首にウェアラブル端末を装着したとき,皮膚温度が計測され,生体温熱モデルを組み合わせることで計測された皮膚温度から体内温度,血流量等の予測が可能となります。

 現段階ではこれまでに提案されてきた生体温熱モデルの精度検証をし,改良を進めています。大きな温度変化が短時間に起こるサウナ浴時(1.サウナ浴,2.水風呂,3.外気浴)に適用しており,ヒートショックの対策につながることが予想されます。あらゆる環境に対応できる生体情報予測モデルの開発を目指していきます。

  

KEYWORD:サウナ,整う,ヒートショック,生理反応モデル

加熱領域制御を可能とするレーザー温熱治療の開発

 悪性腫瘍新生物(通称:癌)は日本人の死因の中で最も割合の高い病気です.本研究室ではレーザーを用いた皮膚癌の温熱療法にの研究開発を行っています.


 ヒトの細胞は約42.5℃を超えると急激に死滅し始めます.これは癌細胞も同様です.そこで本研究室ではレーザー及び冷却デバイスの時空間制御を行い,細胞のみを選択的に加熱することで他の細胞を傷つけない癌治療手法の確立を目指しています.

  

KEYWORD:皮膚癌,パルスレーザー,COMSOL

ふく射・自然対流伝熱の相互メカニズムの解明

 自然対流という言葉,耳にしたことはありますか?伝熱現象の1つで,身近に存在する現象です.


 自然対流は温度変化による密度変化によって生じる流れのことです.冷めた味噌汁を加熱するとグルグル回って見えるのはこの現象によります. 空気の自然対流には電磁波による伝熱形態であるふく射が大きく影響するとされています.しかしながら,ふく射がいかにして自然対流に影響を与えているか,メカニズムは解明されておりません. 本研究室では光干渉計を用いた実験,シミュレーションを用いて現象解明に取り組んでいます.

  

KEYWORD:自然対流,ふく射,光干渉計,OpenFOAM

赤外線カメラによる温度測定の高精度化

 新型コロナウイルスの流行によって,各地ではサーモグラフィカメラによる体温測定が増えてきました.みなさんはこの体温測定の原理,ご存じですか?


 サーモグラフィカメラは赤外線カメラとも呼ばれます.温度を持つ全てのものは人の目には見えない赤外線を放射しており,高温になるほど強くなります.体温測定は人体表面から発せられる赤外線の強さを用いています. しかしながら赤外線はより長い距離を通過するほど減衰してしまうため,距離が離れるほど赤外線カメラによる測定精度は低下してしまいます.本研究室では赤外線カメラの測定精度の向上のために,カメラの波長感度特性予測手法の開発を行っています.

  

KEYWORD:赤外線カメラ,減衰