2001年度全国大会

大会名称 第21回本田宗一郎杯ホンダエコノパワー燃費競技全国大会
日時 2001年9月23日、24日
場所 栃木県茂木町 ツインリンクもてぎ スーパースピードウエイ
EG号 記録 422.963km/L チーム記録更新
順位

グループW(大学・短大・高専・専門学校クラス) エントリー139台中45位

2001年度になっても、スタッフ不足と技術力の低下は続きました。このため、この年の変更点は、ホイールアライメントが狂わないようにステアリングシステムを小修正したことと、燃料タンクの振動を抑制するよう対策を施したことぐらいでごくわずかなものでした。にもかかわらず、最初の試運転はようやく8月末になってからでした。これは、部員の不注意から、点火信号を拾うピックアップ、点火回路、操舵系の軸受、そしてサイクルメータと様々な箇所の破損・破壊が相次いだためで、整備力の低下もどん底まで達してしまったと嘆くほかありませんでした。

このため、またしてもろくにデータ取りができないまま全国大会を迎えるのかと危惧されましたが、わずか3日間の走行練習とはいえ参考になるデータを得ることができました。得られたデータをもとに、点火時期と空気圧を調整すれば、何とかチーム記録を更新できそうな見込みが立ちました。そこで、久しぶりに期待に胸を膨らませて、全国大会に出発することができたのでした。

この年は、大会が前期末試験にぶつかったため、大会に参加した現役部員はわずか3名。人手不足のため、OBの皆さんにご協力を仰ぐことにしたところ、10名もの方が快く引き受けて下さった。

大会初日の早朝、ホテルで合流したOBの皆さんとともにテントを設営。し、マシンの組立・整備を開始。

マシンの組立・整備も順調に進み、笑顔ものぞく。
しかし、そんな笑顔も吹き飛ぶ非常事態が発生。セルモータが回らない。

やっぱり今年もわが部の伝統は生きていた!

調べてみると、なんとメインスイッチが壊れていた。振り返ってみると、この年は破壊に明け暮れた年だった。そして、そのとどめとなったのが、このメインスイッチの破壊だった。
予備のスイッチはないので、2つに分かれたスイッチを、もう一回嵌め直すという前代未聞の応急修理をして車検に出発。
幸い車検は無事合格。
そして、ウォーミングアップ走行も無事完走。
一難去ったかと思いきや、午後の公式練習(前年までの記録会に相当)に備えて暖機運転をしていたところ、エンジンが停止。再始動しても、しばらくするとまた停止してしまう。いろいろ調べた結果、冷却と潤滑に問題があるのだろうと推察されたが、対処のしようがなく、エンジンが冷えるのを待つ。
そして、午後の公式練習。
完走はしたものの、記録は308.829km/Lと極めて低調。今年こそチーム記録更新と期待に胸を膨らませてやってきただけに、ショックは大きかった。

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しかし、気を取り直して、ステージで記念写真。大会2日目の決勝終了後に撮影するのが恒例だが、この年は試験期間中ということもあって、決勝終了後直ちに八戸へもどらなければならないので、ここでの撮影となった次第。
そして、大会2日目の朝。暖気運転は最小限度にとどめることにし、細心の注意を払って整備をしながら、スタート時刻を待つ。
午前10時過ぎ、スタート前待機エリアへ移動。
スタート前待機エリアにて。暖気運転すらしないので、ただ待つばかり。暇だ。

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いよいよ決勝。

この1年、ほとんど一人でわが部を支えてきてくれた部長兼ドライバーのT君の現役最後のドライブ。それだけに、練習走行でのデータに見合う記録を出して欲しいと祈るばかり。

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サインエリア前を通過。

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快調にゴールをめざす。

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ゴールイン。

全国大会で必ずトラブルが起きるのが伝統ならば、どんなひどいトラブルを抱えていても完走してしまうのも伝統か。

「信じられないほどエンジンの調子が良かったんです」 

ドライバーのT君の言葉どおり、記録も422.963km/Lと6年ぶりにチーム記録を更新した。

思えば、EG号を開発したのは3年前の1998年度。余りに様々な試みをこのマシンに織り込もうとしたがゆえに、3名の5年生を中心とした部員達の壮絶な努力にもかかわらず開発は遅れに遅れました。このため、ほとんど各部のチェックができないまま大会に臨まざるを得ず、記録も極めて低調なものに終わりました。それから3年。ようやく当時の部員の方々の努力にいくらかでも報いることができる結果を出すことができました。しかも、ドライバー兼部長のT君は、EG号の開発に携わった最後の生き残りで、これが現役最後の大会。その意味でも待ちに待った、そして大変うれしいチーム記録更新だったのです。

当時開発に携わったOBの皆さん、ありがとうごさいました。また、大会時にご協力いただいたOBの皆さん、ありがとうございました。