1999年度全国大会

大会名称 第19回本田宗一郎杯ホンダエコノパワー燃費競技全国大会
日時 1999年10月9日、10日
場所 栃木県茂木町 ツインリンクもてぎ スーパースピードウエイ
EG号 記録 366.557km/L
順位

グループW(大学・短大・高専・専門学校クラス) エントリー141台中53位

うち高専クラス3位 入賞

1998年度の前半6ヶ月は、わが部始まって以来の壮絶な日々でした。しかし、苦労して新開発したEG号が10月に行われた全国大会で記録したのは284km/L。とても、その苦労に見合うだけの成果とは言えず、部内には沈滞ムードが蔓延しました。その上、EG号開発の中心となった3人の5年生は、全国大会をもって引退してしまい、改良すべき箇所は無数にあったものの、それを実行する人材は枯渇していました。

そうして迎えた1999年度、唯一できることは強度不足のカウルの補強ぐらいでした。幸い、カウル製作に経験あるメンバーが残っていたからです。速やかにカウルを補強した上で、練習走行を繰り返してトラブル要因を取り除き、前年に開発した点火回路を活かすべく調整に励めば、自己記録更新を果たせるのではないか。そうした目論見でしたが、沈滞ムードと人材の枯渇した状況ではそれもままならず、作業量は前年度の1/10以下だったにもかかわらず、開発が遅れて、大会前の試運転はたったの1回にとどまり、全国大会を迎えねばなりませんでした。

写真をクリックすると大きくなります

恒例のレンタカー班出発前の記念写真。

思うように開発が進まなかったので、チーム記録更新への期待はほとんど持てない。ただ、1996年度以来ドライバーを務めてきたKさんは、この年が最後。毎年全国大会で再スタートの苦労を味合わせてきただけに、せめて最後の年だけはトラブルなしに走らせたい。それだけが願いだった。

迎えた大会初日の朝、整備に励む。

しかし、1995年度を最後にろくに試運転もしないで全国大会に臨むことの繰り返しだったため、整備経験が乏しく、タイヤに空気を入れ、ブレーキの調整するぐらいしかできない。

そして、車検。

最も心配していたブレーキテストは合格。

続いて行われた公式練習も無事完走。

ほっと一息。

しかし、午後の記録会では317km/Lにとどまった。幾ら記録は期待できない状況であっても、余りにひど過ぎた。
原因を追究するためマシンを調べてみると、剛性不足のため前輪ホイールアライメントが大きく狂っていた。閉門時刻ぎりぎりまで調整を続ける。
そして、翌朝。あいかわらずエンジン音がおかしいが、エンジンをばらして調べようにも、再び正しく組み立てることができる程の整備力は最早ないので傍観するのみ。
そうこうしているうちに決勝。

スタート前の燃料微調整。

スタートすると快調に飛ばす。

「4年連続再スタートにならなくて良かった」

そのままゴール。
毎年のようにリタイアの危機にさらされながらも、完走に導いてくれた名ドライバーKさんの最後のドライブ後の姿。

「長い間ご苦労様でした」

写真をクリックすると大きくなります

そして、記念写真。

記録は366km/Lとふるわなかったが、高専クラスで3位入賞。本来ならば初の表彰台だったが、事務局のミスで表彰台には呼ばれなかった。抗議の結果、3位入賞は認められ、後日盾が送られてきたものの、表彰台にあがるKさんを見られなかったのは残念だった。