1997年度全国大会

大会名称 第17回本田宗一郎杯ホンダエコノパワー燃費競技全国大会
日時 1997年10月18日、19日
場所 栃木県茂木町 ツインリンクもてぎ スーパースピードウエイ
GT号 記録 223.723km/L
順位 グループX(短大・高専クラス) エントリー21台中9位

1996年度はJT号とGT号の2台を出走させました。しかし、JT号に施した改造は大失敗に終わり、JT号はこの年限りの引退を余儀なくされました。一方、この年にデビューしたGT号は、カウルの製作が間に合わないままでの出走となりました。

そこで1997年度は、GT号のカウル製作に取り組みました。しかし、部員の大半がロボット・コンテストに参加してしまい、最後の追い込みとなる7月下旬以降は、部長のA君を含めてたった2人で製作を進めなければなりませんでした。それでも何とか大会までに、わが部初のタイヤまで覆うタイプのカウルを完成させることができました。

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10月17日朝、恒例のレンタカー出発前の記念写真。

この年から大会会場が栃木県茂木町の「ツインリンクもてぎ」に変わったこともあって、チーム記録更新はもとより、会場に対する期待も膨らむ。

そして大会初日の朝。

会場が立派なことに驚きながらも、さっそく整備開始。

「こんな立派なコースで走れるなんて・・・」

午前中の公式練習も無事完走。

真っ青に晴れあがった秋空、そして新会場。苦心して製作したカウルが映える。

「こうして見ると、かっこいいね!」

「そうっすねぇー」

と、楽しんでいられたのも束の間。

タイヤハウス下面が路面に擦っていたり、燃料タンク支持部の振動がひどかったり・・・。あわてて梱包用の紐で補強を加える。

そして、いよいよ午後の記録会。

スタート前待機エリアでスタートを待つ。

現役部員たちの緊張をよそに、OBと顧問は会場の素晴らしさにすっかり酔っている。

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記録会スタート。

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順調に周回してゴール。

記録は391km/L。記録会なので、あくまで参考記録にすぎないが、2年前に決勝で記録した379km/Lを超えた。

順位は5位。もう少し記録を伸ばすことができたら、3位以内に入ることができるかもしれない。いよいよ初の表彰台か!

翌日の決勝に向けて期待は膨らむ。

大会2日目。

初日のできに浮かれて夜更かししたのか、部長のA君も大あくび。

楽観ムードの中、迎えた決勝スタート。

しかし、様子がおかしい!

マシンはオフィシャルに押されて、再スタート調整エリアへ。

「うわあー、スタート失敗だ!」

約10分以内に修理できなくては、リタイアとなってしまう。とにかくエンジンが始動できるように場当たり的な対策を施す。
何とか再スタート締め切り時刻には間に合った。

それにしても、GT号は2年連続の再スタートである。大会前から危惧していた整備力の低下が現実のものとなってしまった!

エンジンの調子がおかしい中で、ドライバーが機転を利かせて、周回を重ねていく。
何とかゴールにたどり着き、燃料タンクの取り外しを見守る。燃料の減り方の凄さには絶句するしかなかった。

結局、記録は223km/L。4年前の初出場時のレベルに戻ってしまった!

 

ピットに戻ると、すぐさま原因究明。原因は、バルブタイミングが狂っていたことにあった。

ただ呆然とエンジンを見つめるばかりだった・・・。

このあとのミーティングで、2年間部長を務め、GT号の開発の先頭に立ってきてくれたA君は、「自分の部長時代に、自己記録を更新できなかったことが悔しい」と自らの心情を吐露しました。初出場時のカウルの製作以来、カウルやシャシの設計製作に尽力してきてくれたA君の言葉だけに、この痛切な言葉は未だに忘れられられません。