大会名称 | 第14回本田宗一郎杯ホンダエコノパワー燃費競技全国大会 | |
日時 | 1994年9月17日、18日 | |
場所 | 茨城県つくば市 (財)日本自動車研究所 高速周回路 | |
JT号 | 記録 | 279.490km/L チーム記録更新 |
順位 | グループX(短大・高専クラス) エントリー25台中13位 |
1994年度は、カウルの製作法を紹介した資料を手に入れることができたので、それを参考にして、カウルを全面的に作り直しました。特に重視した点は、強度の確保と、車体への取りつけの確実性です。また、前年度はごく簡単なスケッチを基に製作したのですが、この年は、設計にCADを用いました。ただし、使用したCADの機能の制約から、2次元的な設計としました。
一方、車体に関しては、前年度のマシンではホイールベースが1750mmと非常に長かったことが問題だったので、約300mmこれを短縮する改造を行うとともに、極力ねじによる接合部を廃するように努めました。また、エンジンに関しては、冷却フィンなどを削るだけのごくわずかな改造にとどめました。この年の主な変更点は以上ですが、やはり完成したのは、大会直前で、試運転はほとんどできませんでした。
そして、全国大会。初日の車検終了後、うっかりミスから、なんとバッテリの充電切れが発生。この年は、まだ発電器を会場に持参していなかったので、充電するためにホテルに戻らざるを得ず、午前中の練習走行はパスせざるを得ませんでした。
午後の記録会は、雷鳴が轟く最悪のコンディションの中で行われました。雨対策を全くしていなかったこともあって、エンジントラブルのためリタイア。アッパーカウルを開けてみると、中は水浸し。そして、ドライバーの女子部員にリタイアの状況を聞こうにも、ただただ泣くばかりで、原因究明は進みません。その上、作業中にメインスイッチを折損してしまうなど、まさに踏んだり蹴ったりでした。
そして、大会2日目。幸い青空が広がり、絶好のコンディションとなりました。しかし、前日からのエンジントラブルが解決せず、決勝スタートの1時間前になってもエンジンが始動しないという非常事態。結局、原因が判明しないまま、混合比を濃くするなど場当たり的な対策を施して決勝に臨みましたが、記録は284km/Lに留まりました。前年の記録を更新してはいたものの、300km/Lを目標に開発を進めてきただけに、落胆は大きなものがありました。しかし、これだけのトラブルに見舞われて、しかも決勝ではエンジンがまともに吹けあがってくれなかった状況を考えると、完走できたのを幸いとしなければならなかったのだと思われます。また、今から振り返ると、この大会参加2回目にして発生した大トラブルが、八戸高専自動車工学部の長いトラブル史の幕開きとなったのでした。
9月16日朝、レンタルしたワゴン車の出発を前に ワゴン車に乗りきれなかった部員はハイウェイバスを乗り継いで移動 |
大会初日、雨中の車検 |
午後、雷鳴轟く中で行われた記録会でリタイア |
トラブルの原因を探るため、必死の作業が続く |
作業を心配そうに見守る武尾先生とOB |
なんとかエンジンが動くようにして、決勝のスタート |
エンジンが吹けあがらない中、我慢の操縦が続く |
無事ゴールイン |
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