1993年度全国大会

大会名称 第13回本田宗一郎杯ホンダエコノパワー燃費競技全国大会
日時 1993年9月18日、19日
場所 茨城県つくば市 (財)日本自動車研究所 高速周回路
JT号 記録 216.070km/L
順位 グループX(専門学校クラス) エントリー44台中19位

自動車工学部でエコランに参加するため、マシンの開発を始めたのは1992年の4月のこと。開発当初は、カウルのことは一切考えず、マシンの設計・製作を進めていきました。ところが、翌年2月にマシンが完成してみると、大会まで半年以上あるのだから、カウルを作ろうという機運が出てきました。そこで、FRP製のカウルの製作に着手したのですが、ろくに資料もなかったため、難航に難航を重ねて、最後の塗装が終わったのは全国大会に出発する前日の午後。まさに、悪しき伝統の始まりです。

そして、全国大会。練習走行を終わって戻ってきたマシンを見ると、車体とカウルをとめるのに用いていたねじのほとんどがはずれていました。もともとカウルのことを考慮せず車体を設計したため、車体への取りつけにねじを多用することになってしまったのですが、このねじがエンジンの振動によって緩んでしまったのです。このため、カウルの強度不足と相俟って、カウルをガタガタ振動させながら走らざるを得ず、空気抵抗を低減する効果があったのか怪しいものでした。

ただし、安全第一と言うことで、車体はとにかく頑丈に作りましたし、エンジンも一切手を入れていなかったため、他のトラブルはなく、このときの目標であった完走は果たすことができました。また、いろいろなチームからカウル製作法などについてアドバイスをいただくことができ、大変参考になりました。

最後にこの年の忘れられない思い出をひとつ。大会会場の猛烈な暑さです。35゚C前後だったでしょうか。しかし、初参加の悲しさ。テントを持ってくることまでは気が回らなかったので、炎天下にさらされ続けて、大変な思いをしました。このとき顧問教官が口にした言葉。「ビールを飲むのはつくばに限る」

3部分に分解してバンで輸送してきたマシンを組み立てる。

卒業研究としてマシンの開発に中心的に関わったOBのSさんが、感慨深げに組み上がったマシンをじっと見つめる。

「そういえば、あやうく燃料タンクに七味唐辛子の粉を混入されそうになったんだよな・・・・・・。七味唐辛子のどの成分が燃費に効くのか調べるためとか言って・・・・・・。いったい誰がやったんでしょうね、先生」

「さあー、僕にはわからないなあ。もしかしたら宇宙人の仕業なんじゃないの」

初めての車検を前にして、緊張した面持ち。

快調に走るJT号、でもマシンの中は灼熱地獄。

ゴールイン。目標としていた完走を果たす。

燃費も、初日の記録会では219km/Lだったが、2日目の決勝でも216km/Lと、目標の200km/Lを超えた。

ドライバーさん、ご苦労様。

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