EG号U(2004年度〜2005年度)

EG号Uとは

EG号を開発したのは1998年度。しかし、余りに様々な試みをこのマシンに織り込もうとしたが故に、各部の完成度は低くなってしまい、そのポテンシャルが発揮されるようになったのは2001年度になってからでした。こうした反省を踏まえて、安易にニューマシン作りに取り組むようなことはせずに、まずはマシンを構成する個々の要素の技術を磨くことに専念してきました。その結果、EG号の各部は大幅にリファインされ、2003年度の大会を終える頃になると、ニューマシン開発に取りかかる技術的な準備は整ってきたものと判断されるようになってきました。その一方で、カウルの老朽化も限界に近づいていました。

そこで、開発に取りかかったのがこのEG号Uです。EG号が開発当初から抱えていた欠点は「重くて大きい」ということでした。そこでこのEG号Uでは、「軽くて小さい」をコンセプトとし、以下のような方針で開発に臨みました。

  1. エンジン・駆動系統・電装系統は、2004年度型EG号と同様として信頼性の確保を図る

  2. 操舵系統は全面的に見直して、走行抵抗低減を図る。

  3. 乗車姿勢をより寝そべった形にして、前面投影面積低減を図る。

  4. カウルはFRP製とするが、製作技術を考慮して、タイヤは覆わないタイプとする。

EG号Uのデビューは2004年度。この年は、EG号の大改修に工数を割かれたため、ペット製の暫定カウルで出走することにしましたが、初の試運転は9月4日までずれこみ、この日と9月11日の2回だけの走行練習で全国大会を迎えねばなりませんでした。それでも、雨の降りしきる中での走行となった全国大会では見事完走、404km/Lを記録しました。

2005年度は、全高を下げるため、フロントオーバーハングを延長し、ドライバーの乗車姿勢をより寝かせるようにしました。また、それにあわせてペット製カウルも作り直しました。エンジンについては、主として潤滑保温系統の改良や軽量化に取り組みました。たったそれだけの改良だったのですが、開発は遅れに遅れ、この年もわずかな走行練習だけで全国大会を迎えなければなりませんでした。

全国大会決勝ではトラブルを抱えながらの走行となりましたが、幸いにも致命傷とならず、641km/Lを記録。2002年度EG号が叩き出したチーム記録を大幅に更新しましたが、この年694km/Lを記録したEG号には及びませんでした。

EG号Uは、EG号に比べて軽く(ドライバーも含めると約10kg)、前面投影面積も小さかったのですが、練習走行でも、全国大会でもEG号には及びませんでした。このことは、暫定的なカウルでは、フルカバードタイプのFRP製カウルにかなわないことを意味していました。そこで、いよいよFRP製カウルを新製作すべきとの判断に傾きかけました。しかし、最終的には、電子制御燃料噴射システムの導入、ドライバーの変更などの事情を考えると、シャシから新開発して、それにあわせてFRP製カウルを作った方が良いとの結論に達し、EG号U2005年度の大会を持って引退させることになりました。

EG号Uはわずか2年間の参戦にとどまりました。しかし、EG号Uで得た技術は後継機であるNP号に継承されました。一部の部品も流用されました。そういう意味で、EG号Uは私たちにとって、次なる飛躍へのステップとなってくれた貴重なマシンでした。

2004年度型EG号U

 

ペット製の暫定カウルを身に纏ったEG号U。全高が低くなりました。

最大の改良箇所である操舵系統。雨だった全国大会の10日後に撮影したのですが、一部の部品がもう錆びてきています。早く錆落とししないと・・・。

電装系統は2004年度型EG号と同様。

エンジンや駆動系統も2004年度型EG号とほぼ同様

2005年度型EG号U

 

開発が遅れた最大の原因である新型ペット製カウル

大会成績

注1.2004年度は雨中走行。

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