齋 麻子 Sai Asako [修士(文学)]
総合科学教育科 准教授
専門分野
- 日本中古文学
- 和歌文学
- 日本美術史学
写真
研究課題
- 日本古典文学と絵画の相関性
- 屏風絵(歌)研究
- 平安・鎌倉期の絵巻研究
- 『源氏物語』の絵画化に関する考察‐江戸時代における絵画化資料を中心に-
- 奥浄瑠璃「十和田山由来記」「十和田山本地実記」の伝播について
研究シーズ
文学と絵画の融合
絵巻・屏風絵・襖絵...、絵本・漫画、日本は古くから現在に至るまで、文学作品を絵画にしてあらわすという行為を数多く行ってきた。世界的に見ると、ストーリー持った絵画は宗教的なものが数多い。しかし、日本の場合は、『源氏物語』や『伊勢物語』などの宗教とは関わりを持たない絵画作品が平安時代以降、現在に至るまでかなりの数の作品が作られている。現存するものはごくわずかで、また、その中でも図版などで広く一般に知られている作品は極一部に過ぎない。宗教画ではない単なる物語、いわゆる王朝物語である『源氏物語』が絵画化される時、どのような法則で物語の一コマを抜き出し表現するのか、どのような場合に『源氏物語』が絵画化されるのかをテーマに研究している。現在は、江戸時代前期(元禄期)の宮廷および幕府周辺で作られた『源氏物語』の屏風について研究している。絵画作品が政治的な場面で利用されていることなどが明らかになりつつある。宮内庁や国立歴史民俗博物館をはじめ、各地の文庫や大学附属図書館等に眠る資料を調査、解読しながら、研究を進めている。
地域の文学研究(奥浄瑠璃)
いわゆる「浄瑠璃」とは異なり、江戸後期あたりから、仙台藩を中心とした東北地方で上演された「奥浄瑠璃」は昭和40年代を最後に途絶えてしまった。現在、東北の各地に「奥浄瑠璃」の痕跡を残す文献がわずかに現存している。中でも、十和田湖生成の物語とされる「十和田山由来記」「十和田山本地実記」などと呼ばれる「奥浄瑠璃」の文献を調査、解読を進め、伝播の過程を研究している。
研究のキーワード
『源氏物語』(王朝物語)の絵画享受,古筆解読,奥浄瑠璃