鎌田 貴晴 Kamada Takaharu [博士(工学)]
電気情報工学コース 助教
専門分野
- プラズマ工学Plasma Science and Engineering
- 高電圧工学High Voltage Engineering
写真
研究課題
- 電磁加速型擬火花放電プラズマとその応用に関する研究
Electromagnetic Drive of Pseudo-Spark Discharge Plasma and its Applications - 大気圧プラズマによる表面改質
Atmospheric Pressure Plasma Processing
研究シーズ
1.擬火花放電プラズマCVD法によるダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜の作製
材料プロセスにおけるプラズマの技術はなくてはならないものとなっており、成膜技術の分野ではプラズマ化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition : CVD)法は大変重要な技術である。プラズマを成膜に用いる場合の重要なパラメータに、成膜速度、成膜面積、膜品質の3つが挙げられる。
本研究では擬火花放電という特殊な放電をプラズマ源に用いることで、この3つのパラメータを満足する成膜法の開発を目指している。擬火花放電は大電流にもかかわらずグロー状の放電を形成するので、電極損傷がアーク放電に比べて少ない。したがって、高い成膜速度が得られながら、膜中に含まれるパーティクルを抑えることができる。また、プロセス気圧が10 Pa程度と低いことから、プラズマが
拡散しやすいため、成膜面積も比較的広い。現在、DLC膜作製への応用研究を行っており、放電1回当たりの膜厚が0.12μmと高い成膜速度を有していることがわかっている
2.大気圧プラズマによるテフロン(PTFE)シートの表面改質
フッ素系樹脂材料は耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、ガスバリア性、耐燃性、電気特性、低摩擦性などにおいて優れた特性を有し、様々な用途展開が図られている。しかしながら、フッ素樹脂は分子構造が安定(不活性)であるが故に、他の材料との接着が困難である。つまり、密着性が低い(疎水性が強い)という特性を併せ持っている。このフッ素系樹脂の中でもテフロン(PTFE)は、材料自体の表面エネルギーが低く、本質的にファンデルワールス力が小さい。また、安定な炭素-フッ素結合のため、その他の相互作用もほとんど発生しないことから接着性が特に低い材料である。
本研究では、大気圧放電を用いたテフロンシートの表面改質を行うことで、密着性の改善を図るととともに、その表特性の変化について調べている。
画像の解説
研究のキーワード
擬火花放電プラズマCVD,高成膜速度,大気圧プラズマ,表面処理